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大漁の話(その1)

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大漁の話(その1)

ずいぶん昔の話ですが、私の趣味である魚釣りについて、東京時代、名古屋時代、香川県西讃時代に分けて、いくつか書こうと思います。
最近の釣行は、3年ほど前に行った金沢八景のキス釣りでしたか…。
私も、今年「古希」を迎えました。
どうしても古い話になってしまいますが…。


黒鯛写真

黒鯛現物


第1話 大漁の話(その1)

平成3年5月10日午後3時頃、釣り仲間が我が家に車で迎えに来た。
私を乗せて横浜横須賀道路日野インターから横横道路に入り、「今日はつれるかな」と、もう釣り談義。
竿先に伝わる魚の感触を想像しているとあっという間に横須賀インター。
インターを出て久里浜市外に入る手前に一寸した餌屋がある。我々釣師にとってはなんとも有難い店である。
今日も活きのいい岩イソメがあったので、いつものことではあるが少し多めに買った。
夜通し頑張るつもりだったので人間の餌も買い込んだ。
はやる気持ちを抑えながら、久里浜港に向かった。

船は、久里浜港に流れ込む平作川に架かる開門橋の近くに係留してある。
何よりも重要なことは…風向きと風力。
その目安になるのが、東京電力横須賀火力発電所の煙突から出る煙の状態。
幸い、今日はちょっと斜めにたなびく感じで、条件は最高。
自動車をいつもの所に止めて、身支度を整え、ボートに乗り込んだ。ボートは数人が乗れるプレジャーボート。
「今日はいいぞ!期待できるよ!」と釣友に声をかけると、彼はニンマリしてエンジンをかけ、出航。(少々大げさ…)

東電久里浜堤防に乗ったのが5時少しまわった頃。
先客はいない。早速準備にかかる。
竿はさくら製のへち竿、江戸川竜2m30cm、道糸3号をタイコリールに10mほど巻き、その先に小型のよりもどしを付け、ハリス2号を結ぶ。
オモリはガンダマ1個を針3cm上につける。首に竹製の魚籠をぶら下げ、餌箱を魚籠の端にセットして岩イソメを入れる。
腰にタモを挿し込み、準備完了。

潮は、堤防の付け根から、先端に向け流れている。
いい状況だ!釣れる!
勘でそう思った。
一投目は、どんな状況のときでも何かが釣れる。
堤防中程にある切れ目の内側に、餌を落とし、探ってみた。
すぐに鋭いアタリがあり、15cm位のカサゴが釣れた。
そのポイントで立て続けに数匹のカサゴを釣ったが、小型なので放流。
それから、堤防の状況をゆっくり観察しながら先端に到着。
何時もそうだが、海を眺めていると、満ち足りた気持ちになる。
先ず、堤防の内側から探ってみることに決めた。
しばらく、あたりは無かったが、試し釣りでカサゴを釣った所に来ると、「ググーッ」とアタリ、軽くあおって上げてみると型のいいクロメバル。
頭と尾びれが手から出るほどの大物。
これは幸先がいい、と魚籠に入れる。
パタパタと跳ねる振動が、首にかけた魚籠の紐に伝わって来る。
堤防の付け根まで探って行って数匹ものにした。
今度は、堤防の外側を探ることにした。クロダイを期待して…。
先端まで探ったが、成果なし。
その後、内側、外側と探りを繰り返したが、釣れるのは内側ばかり。それもクロメバルのみ。
首にぶら下げている魚籠に10匹も入ると首が痛くなるので、堤防付け根の海中にぶら下げている別の大きいスカリ(網で編んだ魚籠)に移しかえる必要がある。
クロダイを釣った場合には、首にぶら下げた魚籠に入らないので、スカリに入れるのだが…。
今日は、クロメバルで首が痛くなるとは。
贅沢なことではあるが、クロメバルにも飽きてきたし、いささか疲れも出てきたので、堤防付け根で腰を下ろし休むことにした。
時計を見ると11時を過ぎていた。
よく釣れたとはいえ、自分ながら頑張ったなと思った。
私の師匠である釣友は、クロダイを狙い、外側を狙っている。
パンなどを食べ、うとうとしかけた頃、釣友が「かけたよ!」と言いながら近寄って来た。
クロダイを右手に持って…。
「やったな!」と労いの言葉をかけたが、羨ましくもあった。
クロダイをスカリに入れた釣友が、「これから釣れますよ、クロが」と言いながら、横に座った。
「潮の流れがいいから、頑張れば!!堤防中央から先端にかけての外側を攻めれば釣れますよ!」と教えてくれた。
私は、クロメバルを狙って内側ばかり攻めていたからなぁ…と負け惜しみ。(笑)
チョコレートなど食べながら、しばらく雑談。

「さてっ、やるか!」と、立ち上がり、今度はクロダイ狙いで、外側だけを探ることにした。
先端から付け根まで何回か往復して、釣友が狙い目だと教えてくれた辺りで『アタッタ』。
強烈な引き込み。
これは大物だ!
いきなりのアタリだったので、気が動転して、腰のタモがなかなか腰から抜けない。
やっと腰からタモを抜いたものの、今度はタモがなかなか伸ばせない。
右手で魚とのやりとりをしながら、左手でタモを操るのは大変だ。闇夜だし・・・。
必死になって魚を確保して、やっと水面近くに引き寄せた。
水面にボヤーッと白いものが見えたので、そこに狙いを定めタモを入れた。
タモに収めたと思い込み、竿を持つ右手を緩めた瞬間「パシャッ!」と音がして、水しぶきが上がった。
とたんに竿が軽くなった。
シマッタ!!後の祭り。
タモに収めたと思ったのだが、完全に収め切れていなかったようだ。
逃がした魚は大きいというが、水面下の魚影から見て、正真正銘の大物だったと今でも思っている。(笑)

その後の展開については、また後日。。。

(記:副代表)

この記事のカテゴリーは「釣り日記」です。
釣り好きのまる工房副代表が、釣りの思い出を綴っています。
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